THE SECRET MUSEUMでは第6回目の企画展として、アーティスト、JO JEONG EUN（チョ・ジョンウン）による個展“Landscape from nowhere”を2019年2月10日(日) – 3月2日(土)の期間、開催いたします。

チョ・ジョンウンは1991年、韓国のソウルで生まれたアーティストです。

2019年3月に東京藝術大学グロバールアートプラクティス(GAP)専攻修士課程を修了予定で、2012〜2016年には韓国・ソウルの梨花女子大学校に通い、絵画とアートヒストリーの学士号を取得しています。

チョの作品は、現代社会に存在する不安を捉えることに焦点を当て制作されます。
それは資本主義という、現代が生んだ競争社会へ不安です。不安を感じながらも、
資本主義からつくられる工業製品や社会現象に魅了を感じ、その一方で、世界を旅したなかで経験した自然の風景なども作品の要素となっています。
彼女の作品は絵画や写真、メディアアートからインスタレーションまで多岐にわたります。

今回の個展“Landscape from nowhere”ではチョのペインティングを展示いたします。

チョのペインティングは、多くはチョが直接出会った現実の風景を元に描かれます。
しかし、ただ風景を描くだけではなく、2つ以上の巨大な自然の要素を組み合わせ、新しい絵画という空間を生み出しています。
自然のみではなく、資本主義を独自に捉えた視点から、自然界にあまり見られない垂直の線も強調し描かれ、現実と非現実が交差し、不完全で幻想的な美しさを放ちます。
また、鑑賞者が作品に対し浮遊しているような印象を受けるのは、チョは「配置」について考察し、それを絵画へと反映していることが理由に挙げられます。
「配置」を考察することによって、既存のスペースから新しいスペースをつくり、絵画という空間を広げています。
絵の中で自然空間の再配置は、資本主義から派生された都市のジェントリフィケーション化や、建物の再建築などのメタファーを盛り込んでいます。
そして、蛍光色などの使用は、やはり都市の人工的な色を隠喩します。 都市の中で変化する空間に対する不安を、作品を通して考察しています。
しかし、チョはそのようなものを無条件的な批判ではなく、配置、メタファーなどを通して描き、絵画をさらに考察しようとしています。

2019年3月に東京藝術大学グロバールアートプラクティス(GAP)専攻修士課程を修了し、これからさらなる活躍が期待されるチョ・ジョンウンのペインティングを、是非この機会にご高覧下さい。

JO JEONG EUN 〈Uncovered Universe〉 130.3 ×162.2cm, Oil on Canvas, 2018
© JO JEONG EUN / THE SECRET MUSEUM

JO JEONG EUN 〈Unknown Tropical Island〉 112.1×162.2cm, Oil on Canvas, 2018
© JO JEONG EUN / THE SECRET MUSEUM

・展示概要
展示タイトル“Landscape from nowhere”
会期 : 2019年2月10日 (日) – 3月2日 (土)
Opening party : 2月10日 (日) 18:00 – 21:00
営業時間 : 13:00-19:00
休廊日 : 月・水曜日　
入場無料
会場 : THE SECRET MUSEUM　

〒150-0001　東京都渋谷区神宮前5-21-2
（住宅地の中にあるギャラリーとなります。ゆっくりと扉を開けてお入りください。）
tel 03-3797-3019
お問合せ : info@thesecretmuseum.tokyo

・作家プロフィール
JO JEONG EUN（チョ・ジョンウン）
1991年　韓国、ソウル市生まれ
2016年　梨花女子大学西洋画科及び美術史学科卒業
2019年　東京藝術大学グロバールアートプラクティス専攻修士課程修了予定
HP : https://www.jojeongeun.com/

・ステートメント
私の絵画に描かれる場所は、私が都市を逃れて安定を感じた自然空間をもとにしている。

私は常に不安を感じる都会という環境で生まれ育った。

不安な気持ちから、町を逃れて理想の場所に行きたいと切望するようになった。

結局自然の中にもユートピアはないのだが、自然への一時的な旅は私に心理的な安定と喜びをもたらした。
場所に対する感情的な経験に基づいて、私は作品を通して理想の場所を作り上げた。

安心と楽しみを与えてくれる実在の空間と、抽象的な形態や色などの造形的要素を組み合わせている。

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